刀剣あれこれ
1.刀剣の種類
A.短刀(たんとう)
かつては家の道具として必需品でした。いまもお嫁入りの時に、お嬢さんに持たせてあげることがあります。また葬儀の際は、死者のお守りとする習慣も残っています。新築の時におうちの御守として上げられた刀が、いまだに天井裏から見つかることもあります。
B.脇差(わきざし)
江戸時代に帯刀を許された庄屋、または武家などに伝わることが多く、日本国中で最も多いのがこの脇差です。清水の次郎長などの侠客もよくこれを持っていますね。30cm以上、60㎝以下のものをいいます。
C.刀(かたな)
刃渡り60cm以上のものを刀といいます。武士の必需品で、刀ときいて連想するのはこの長い刀ですね。刃を上にして、帯に差します。太刀に対して「打刀」ともいいます。江戸のころは登城するのに「定寸」といい、長さの指定がありました。
D.太刀(たち)
刃を下にして、腰につるすのが太刀です。源平の合戦の頃の絵などご覧頂くとわかりやすいです。
E.その他、槍(やり)、薙刀(なぎなた)、鎧通(よろいどおし)など
2.なぜ刀剣の保管はおろそかになるのか
①「どう触れば良いの?」 ~手入れの方法がわからない
②「所有していて大丈夫?」 ~登録についての知識がない
③「持っていてもしかたない」 ~歴史的価値について興味がない
錆びた刀身
3.刀剣の手入れ
「刀剣の手入れ」のページに、写真とともにご説明しています。
ご不明の点はどうぞご遠慮なくお尋ねください。
4.刀剣の保管
A.必ず保管用の鞘(白鞘)に入れてください
~もとの鞘に入れておくと、錆がうつることが多いです
B.錆びた場合はまずご相談ください
~家で砥石にかけたりすると、もとの姿が失われてしまいます
C.半年に一度くらい手入れをしてください
~刀に塗る油は、あまり古いものは使わないようにしましょう
D.白鞘は湿度の低いところに、外装は乾燥し過ぎないところに
~時代の鞘は、乾燥すると塗が割れることがあります
5.刀剣と登録
A.登録証について
①「銃砲刀剣類登録証」が本当の名称です
②交付を受けた人ではなく、刀に付きます
(運転免許証などは人に付きます)
B.登録の方法
①まず所轄の警察署へ行きます(交番ではありません)
②警察署の担当部署で、「発見届」の手続きをします
~刀本体と印鑑(認印)、身分を証明するもの(免許証など)持参
④「発見届出済証」を受領、刀と一緒に持って帰ります
⑤後日、教育委員会の登録審査へ
~刀本体と「発見届出済証」を持参、審査後に登録証が発行されます
新旧の登録証
C.登録の際の注意点
①登録審査の会場と日時
各都道府県によって開催回数が異なりますのでご確認ください。
また会場も似たような名称がありますのでご注意ください。
②登録費用
1点につき、6,000円程度の手数料が必要です(証紙を購入)。
③登録が不可能なもの
刀剣の中には鍛造が不十分な刀(昭和刀・スプリング刀)というものがあり、これは戦前戦中に大量に生産されたもので、「刀剣」とはみなされません。
6.刀剣の研磨(研ぎ)
A.研磨の価格
1寸(およそ3㎝)につき、8,000円~20,000円程度
職人の技術や作業の割合、砥石の種類などにより幅があります。
錆びやキズの程度がそれぞれ異なるため、その都度お見積りいたします(研ぐことができないものもあります)。
研いだ刀身
B.研磨の際に必要となる付属品
①白鞘(しらさや)
もとからある鞘に研磨後も入れておくと、古い錆が刀身にうつるため、新しく製作する保管用の鞘です(40,000円
程度から)。
②継木(つなぎ)
刀身が白鞘に入ると、もとの鞘は空っぽになります。ここに木製の刀を入れておく、いわば竹光です。
③その他
ハバキの新調が必要な場合、また拵えの修理(柄巻直し、鞘塗り直し、金具交換など)が必要な場合は、別に料金が加算されます。
ご要望に応じてお見積りいたします。