林和靖
りんなせい
北宋の詩人である林和靖は、山紫水明の地として知られる杭州の西湖の孤山に庵を結び、二十年の間、一歩もそこから出ずに詩作に興じました。庭には梅を植え、鶴を愛して飼っており、この鶴は放たれても、しばらくすると戻ってくるほど馴れ親しんでいたといわれます。不在の折の来客時は、童子がこの鶴を放し、その悠々と空を舞う様子を見て和靖が戻ってきたといわれます。
生涯独身を通したので「梅妻鶴子(ばいさいかくし)」と呼ばれ、その詩風は大きな影響を与えました。
林和靖の生き方は理想の文人の姿として、古来より格好の好画題でした。
林和靖屏風 木村武山 (福井県立美術館所蔵作品)