太公望
たいこうぼう
中国は周の時代の賢人で、呂尚といいます。
周の西伯(のちの文王)が猟に出るのに事の良否を占うと、今日の獲物は獣ではなく、覇業を達成するための師となる人物であろう、ということでした。果たして渭水の南で釣り糸を垂れていた呂尚に出会い、「太公(先君)子を望むこと久しかりき」と声をかけ、軍師として招いたのです。
これ以降、太公望と呼ばれた呂尚は文王を補佐して天下の三分の二を平定、さらにのちの武帝をたすけて天下統一を達成させました。
この故事により釣りをする人を太公望と呼ぶようになったのです。
尾形光琳 「太公望図屏風」部分 (京都国立博物館蔵)